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サバにマグロを産ませる!?
☆代理親魚の技術
まだ未完成の技術ですが、自然界では起こりえない不思議な養殖技術が、東京海洋大学の竹内 裕 准教授により、着々と進んでいる。
もともとは日本で大部分が消費されていた生食用マグロが、最近では日本食ブームが定着し、欧米諸国、韓国、中国での需要がますます旺盛で、乱獲による資源の枯渇が叫ばれています。この技術が完成すると、代理親魚であるサバを飼っている水槽でマグロの稚魚が生まれることになる。資源を増やすための大量放流も可能になります。
☆ 夢のコストダウン
ここ数年来、人工ふ化したマグロに卵を産ませる完全養殖の技術が成功していますが、そのための親魚となるマグロを飼い続けるコストは膨大なものです。もし、サバにマグロを産ませる技術が成功すると大幅なコストダウンができます。その意味でもこの技術は内外の各方面から注目されています。
☆ 海水魚は難しい
淡水魚のヤマメにニジマスを産ませる技術は成功しています。ただ、海水魚の場合は卵が非常に小さく、また産卵時期や生息環境とくに水温の影響を強く受けやすく、淡水魚よりもかなり難しい。理論的には、サバの生殖腺の一部にマグロの卵や精子をつくる細胞を組み込み、それがマグロの卵や精子をどんどん複製して増やし生産するようになる。通常のサバでは、サバの卵や精子も生産するので、マグロの精子や卵は1000個に1個位しかできませんが、3倍体という不妊処理をした魚ならば、すべてマグロの卵や精子を産ませることが可能です。
☆ マグロはハレの日に食べる
このマグロ科学の最先端を推進している竹内 裕 准教授は言っています。「人は、自然の中で生きていくために食べ物を作る必要があります。それを、自然環境に負担を掛けずに実現するのが科学にできることであり、人間にできることなのです。」「マグロはサバやアジを10キロ食べて1キロ太る魚です。それが自然のことなのに、人間だけがマグロだけを食べたいと、マグロばかりを食べるのは自然の流れに反していると思います。もっと食べる魚のバリエーションを増やしながら、美味しいマグロはハレの日に大切に食べる、というのが自然にあった食べ方だと思います。」
*OPRTニュースレター(No.46)と東京海洋大学・海洋科学部(旧東京水産大学)同窓会誌「楽水」(No.831)を参考にしました。
(2011.9.1作成 )

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